クロマグロのラインシステム|PE12号/15号とリーダー2ヒロを選んだ理由

バリバス アバニ ショックリーダー SMP ナイロン 320LB

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目次

結論

私のラインシステムは、こういう構成です。

クロマグロキャスティング ラインシステム
PEライン:シマノ オシア 17+ PE 12号・15号(跳ねるサイズで使い分け)
スクラム:よつあみ X-BRAID スクラム16 プロテクトリミテッド 16号
リーダー:バリバス アバニ ショックリーダー SMP ナイロン 320LB(約2ヒロ/3m前後)
結束:オーナー 極厚パワースリーブ 1.9mm × オーナー FT-16 ハイパワープレッサー
スプリットリング:ヴァンフック オフショアリング ヘビー #8(360LB)
スイベル:ソウルズ パワーマックススイベル BBストロング #7(280kg)

ラインシステムは、かかった後に機能するものです。ルアーを投げている間は関係ありません。回遊が来て、魚がバイトして、ラインが走り始めた瞬間から、このシステムのすべてが意味を持つ。だからこの部分には時間をかけています。

1アイテムずつ、なぜそれを選んだかを書きます。


PEライン:オシア17+ PEを12号と15号で持ち込む

結論:跳ねるサイズで12号と15号を持ち替えます。両号数とも、同号数の8本編みより強い17+を選びました。ダイワロッド・リールにシマノラインを使うことに迷いはありませんでした。
シマノ オシア 17+ PE 15号

12号と15号を両方持って船に乗っている

クロマグロキャスティングのPEラインで「何号がベストか」という答えは、当日の魚のサイズを見るまで決まりません。私は12号と15号の両方を船に積んで、跳ねているマグロのサイズを見てから持ち替えるという形に落ち着きました。

メータークラスや、視認距離で大型ではないと判断できる魚が中心の日は12号。100kg超が混じる気配の日は15号。1日のうちで持ち替えることもあります。

これは私が勝手に編み出した方法ではなく、第一線のキャスティングアングラーが標準的にやっていることです。

サンライズの田代誠一郎船長(玄界灘)は、対象サイズごとの号数指針をはっきり示しています。

対象サイズ PE号数 リーダー(ナイロン)
30-50kg級6号140lb
50-100kg級8号150lb
100-150kg級10号180lb
150kg超12号220lb
200kg超15号

バリバスインストラクターの佐藤偉知郎氏は、津軽海峡龍飛の取材で「3タックルを船に持ち込む」運用を語っています。「8号・10号・12号」または「8号・12号・12号」を持ち込み、当日見える魚のサイズで握るタックルを変える。津軽海峡では12号タックルが必ず1本は車に積まれていく前提になっています。

参考:VARIVAS公式 佐藤偉知郎が考えるマグロキャスティングタックルANGLERS TIME 田代誠一郎船長

私の場合:12号で平均サイズ、15号でビッグサイズ

100kg未満を中心に狙う日は12号で十分です。スプール容量に余裕があり、ライン放出時のドラグ余裕も大きい。飛距離も伸びます。

跳ねが大きい・回遊サイズが上がっている日や、200kg級が混じる海域では15号に上げる。ファイト中の摩擦熱でPE表面が溶けるという話は実際にあって、100kg超の魚で起きやすいと聞いています。15号にしておけば、1日に1本獲って終わりではなく、複数回のヒットにも耐える余地が残ります。

リーダーは12号でも15号でも、SMPナイロン320LBで揃えています。リーダー側は号数を変えないことで、現場での結束やり直しの判断が一つ減ります。

17本構造が必要な理由

クロマグロとのファイトでラインにかかる力は「引っ張り」だけではありません。ランが止まる、方向を変える、また走る——この繰り返しで発生するのは瞬間的な衝撃荷重と、ライン断面の摩耗です。

8本編みのPEはこの「複合負荷」に対して弱い面があります。断面が摩耗すると接触面積が増え、ガイドリングとの摩擦が上がる。毛羽立ちが始まると、そこから強度の低下が加速していきます。

オシア17+は中芯1本+16本の組糸が包む17本構造を採用しています。自動車のブレーキホースに使われる被覆構造を応用した設計で、外側から摩耗しようとしても中芯が抵抗する。断面が変形しにくいことは、キャストの繰り返しとファイト中の両方で意味を持ちます。

原糸SF700という数字

原糸にはIzanas®のSF700を使用しています。従来のPE原糸より1本のフィラメントが3倍の太さで設計されていて、原糸レベルでの耐摩耗性がそもそも違う。シマノはさらに表面処理を加えて2段階の摩耗対策を講じています。毛羽立ちが始まってから切れるまでの強度低下のカーブがゆるやかになる構造です。

なぜオシア8ではなかったか

オシア17+はシマノが「シマノ史上最強」と公称するラインで、同号数で比較した場合、直線強力でオシア8を上回ります。同じ15号を使うなら、オシア17+の方が強い。クロマグロの命綱を選ぶとき、現時点で最も信頼できると判断したラインを使う、という考え方に従いました。

カラー保持の実用的な意味

オシア17+は新しい染色技術でカラー保持が従来より大幅に向上しています。長時間の釣行でラインが白ける問題が起きにくい設計です。クロマグロキャスティングでは100m以上飛ばすことも多い。ラインの視認性が落ちると、自分のラインの位置が把握しにくくなり、ダブルヒット時に他のアングラーへの伝達も遅れます。

(参考:マグロキャスティングのラインシステムの組み方解説)


オシア17+ PEをどう手配して300mにしているか(100m連結×3本の巻き方)は、オシア17+ PE 15号を全タックルに巻いた理由に分けて書きました。

スクラム:X-BRAID スクラム16 プロテクトリミテッド 16号

結論:ノット部をPEラインで外側から被せて保護する専用ラインです。これを使い始めてから、ガイド絡みとエアノットがほぼなくなりました。

スクラムがやっていること

FGノットなどでラインシステムを組んだ後、そのノット部分はリールのガイドを繰り返し通過します。ノットは必ず膨らんでいて、ガイドリングへの接触圧力が集中するのがこの部分です。

スクラムはその問題への答えです。中空の16本組PEラインで、PE本線のノット部を外側から被せて「筒」として保護する。ノット部がガイドを通過する際の摩擦が均一に分散し、ライン本体への直接ダメージが減ります。エアノットが起きにくくなり、飛距離も出やすくなる。

なぜ16号か

スクラムの号数選びは、本線を通しやすくする余裕と、ガイド通過時の抵抗のバランスで決まります。本線が15号なら、16号のスクラムで内径に余裕を持たせる。大きすぎると抵抗が増えますが、16号はこのバランスがちょうどいい位置にあります。

プロテクトリミテッドが通常版と何が違うか

通常のスクラム16との違いは中芯です。プロテクトリミテッドは中空部分に組紐を仕込んでいて、PE本線を通す際に内側が摩耗しにくくなっている。通しやすさが上がることで、船上での作業時間が短くなります。


リーダー:バリバス アバニ ショックリーダー SMP ナイロン 320LB

結論:「マグロには伸びるリーダーがいい」——バリバスのフィッシングショーで担当者に直接確認して、この結論に至りました。フロロではなくナイロンを選んだ理由はそこにあります。
バリバス アバニ ショックリーダー SMP ナイロン 320LB

なぜナイロンか

バリバスには太号数向けのショックリーダーが複数あります。よく名前が挙がるのはオーシャンレコードとアバニSMPナイロンです。

フィッシングショーでバリバスの担当者と話す機会がありました。そのとき聞いた話で、リーダー選びが決まりました。

「GTとヒラマサはハリのあるリーダーが合う。マグロは伸びるリーダーがいい」

オーシャンレコードはヒラマサキャスティングゲームの第一人者・田代誠一郎氏が監修したリーダーで、硬さとコシを持たせた設計になっています。ヒラマサはルアーアクションへの力の伝達と、根回りでの耐摩耗性が優先される。リーダーのハリがここで意味を持つ。

クロマグロのファイトは別の話です。走り、止まり、向きを変え、また走る。この瞬間的な衝撃の繰り返しがリーダーとノット接続部に集中します。フロロは伸び率が15〜20%で、突っ込みの衝撃をノットに直撃させるリスクがある。ナイロン(伸び率33〜40%)にすることでそのエネルギーを吸収し、結節部への負担を分散させてくれます。

項目 ナイロン(SMP) フロロカーボン
破断時の伸び率33〜40%15〜20%
衝撃吸収高い低い
硬さしなやか硬い・コシあり
耐摩耗改善済み(SMP)高い
向いている魚マグロヒラマサ・GT

リーダーの長さは約2ヒロ(3m前後)

リーダーの長さは約2ヒロ、3m前後で揃えています。クロマグロキャスティングで「リーダー長さ」を調べると1ヒロから2.5ヒロまで意見が分かれますが、私は2ヒロ側に寄せています。

田代誠一郎船長(サンライズ)は「魚の体長より少し長い長さをリーダーに使う」と述べていて、叉長2m10cmの200kg級には約2m50cmのリーダーを結ぶという数字を出しています。クロマグロが100-200kgなら叉長は2m前後あり、リーダーは2.5m以上が目安になる。

実用面では3つの理由でこの長さに落ち着きました。

1. キャスト時、指がPEではなくリーダー側にかかる

タラシ+トップガイドから出ている量を計算すると、3m前後あればキャストの瞬間に指掛け位置がリーダー部分になります。PEを指で直接掴むのは、キャスト時の食い込みで指を切るリスクがある。短いと指がPEに当たります。

2. キャスト前にスプールへ1〜2巻き分入る

リーダーをスプールに数巻き入れた状態でキャストするのが安定する、と解説しているエキスパートが多いです。3m前後あればこの巻き込みが確保できます。

3. 船縁での最終攻防はリーダーだけで対応したい

取り込みの最後はリーダーを手で掴んで寄せる場面が出てきます。PEが船縁・ガイド・リールリングに直接擦れる状況を避けたい。最後の1m半〜2mはリーダーだけで対処したいので、余裕として3m近くは欲しい。

短すぎ・長すぎのリスク

1ヒロ(1.5m)だと、スプールへの巻き込み余裕がなくなる。さらに100kg超の魚体に絡んだとき、結節部が魚体に擦れるリスクが上がります。2.5ヒロ以上(4m〜)になると、キャストの振り抜きで結節部がガイドに繰り返し当たる回数が増える。3m前後は、この両極端の中間で、運用がいちばん安定する長さでした。

SMP 320LB単体の選定経緯はバリバス アバニ ショックリーダー SMP 320LBの記事に、リーダー結束に使う圧着スリーブはオーナー極厚パワースリーブ1.9mmの記事に書いています。

スプリットリング・フックの強度参考

フック/リング 双糸強度 単糸強度 重量
OR-H #8360 LB200 LB1.28g

表のリングはVANFOOK オフショアリング・ヘビー #8 を選んだ理由で、スイベルはソウルズBBパワーマックス7号の記事で、それぞれ単体で書いています。

よくある質問

Q. クロマグロキャスティングのPEは12号と15号どちらが良いか?

私は両方を船に積んで、当日の魚サイズで使い分けています。100kg未満を中心に狙う日や、飛距離・ライン放出量を優先したい場面では12号。100kg超が混じる気配や、200kg級が見える海域では15号に上げます。田代誠一郎船長(玄界灘)のサイズ別号数表でも、150kg超でPE12号、200kg超でPE15号という線が引かれていて、当日の対象サイズで握るタックルを変えるのが現場の標準的な答えです。直線強度はPE12号で約160-180lb(73-82kg)、15号で約240lb(109kg)。リール最大ドラグ30kgに対して2倍以上の余裕です。

Q. クロマグロキャスティングのリーダーの長さは何mが適正か?

私は約2ヒロ、3m前後で揃えています。クロマグロの叉長は100-200kg級で2m前後あり、リーダーは魚体長より少し長い長さが望ましい。田代誠一郎船長は200kg級(叉長2m10cm)に約2m50cmのリーダーを推奨しています。短すぎるとキャスト時に指がPE側にかかってしまい、スプール巻き込みの余裕もなくなる。長すぎると結節部がガイドを通過する回数が増える。2ヒロ前後がこの両極端の中間で安定します。

Q. リーダーはナイロンとフロロどちらが良いか?

クロマグロにはナイロンが向いていると考えています。フロロは伸びが少なく直結強度は出ますが、突っ込みの衝撃がノットに直撃しやすい。ナイロン320LB(SMP)は伸び33-40%で、衝撃を吸収しながらPE側のノットを守ってくれます。強度=太さではなく強度=伸びを含めた挙動の整合で選ぶ考え方です。

Q. スクラム16プロテクトリミテッドは本当に必要か?

ガイド絡みとエアノットの抑制という点で、外せないと感じています。PEラインの保護スリーブ役として、ノット部からのほつれ・ささくれを物理的に防ぐ。なくても釣りは成立しますが、トラブルでの実釣時間ロスを考えると安いコストです。

Q. SMP 320LBのSMPとは?

ショックアブソーバー系のナイロン素材です。表面加工(SP-V・NON・ND-S)で衝撃吸収後の復元性と耐久性を高めた、ナイロンリーダーの上位規格です。クロマグロのような瞬間負荷が大きい釣りでは、復元性のあるナイロンが結果的にラインシステム全体の寿命を延ばします。

Q. スプリットリングとスイベルの強度はどこまで必要か?

ヴァンフックのオフショアリング ヘビー #8で360lb(約163kg)、ソウルズ パワーマックススイベル BBストロング #7で616lb(280kg)。リール最大ドラグ30kgに対し5倍以上の余裕です。PE本線とリーダーが先に来て、金具はそれを上回る順序で揃えています。


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この記事を書いた人

38歳、会社員、関西在住、匿名で書いています。小学生でブラックバス、社会人で海釣り、東南アジアでの怪魚釣り、キハダのエビング・キャスティングを経て、クロマグロキャスティングに至りました。富山湾で一本、三年前。それ以来大型は未達ですが、道具選びだけは妥協しないと決めて、買ったもの・見送った理由を記録しています。200kgオーバーを夢見て、いまも研究を続けています。

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